長期優良住宅にすることはローコスト住宅と同じ

長期優良住宅にしたローコスト住宅の考え方

ローコスト住宅にするためには、家に関する知識がある程度は必要になります。

間取り設計の段階から建物本体に使用する各種素材、生活するうえで必要な電化製品など、あらゆる箇所を細かく考えれば、どの部分が必要でどこのコストを抑えればいいかが見えてきます。

これからローコスト住宅を建てるのであれば事前のプランニングが重要で、あれもこれもと贅沢をしなければ、かなり削減することができると思います。

後半では、ローコスト住宅にするためのアイデアや、コストをコントロールするにはどうすればいいかを具体的な例で紹介しますが、出費を抑えるために目先のことだけにとらわれずに、丈夫で長持ちする長期優良住宅にすることで、最終的にはローコスト住宅になるという考え方もあります。

長期優良住宅でコストを抑える

例えば、長期優良住宅にした場合、将来的に大きな改修や補修などをする必要がなくなるため、長期的にみれば最終的にコストを抑えることにつながります。

そして、耐久性や耐震性、省エネを考慮した家は長期優良住宅となるため、国からの減税補助や税金面でも優遇されます。

長期優良住宅として認定されるには条件があり、家の構造、屋根裏や床下の通気を確保し、防腐処理などで劣化しにくくし、他にも将来を見据えた臨機応変に変更できる間取りにしておくことなどが条件になります。

また、定期的なメンテナンスをすることも重要で、長く住み続けられる家となるため覚えておくといいでしょう。

ランニングコストを抑えた省エネ住宅

家を建てる時、同時に考えておかなければないことがあります。

それは、今後必要となるであろう子供の教育費や自分たちの老後の資金などですが、それとは別に家にはランニングコストがかかってくるということです。

家にかかるランニングコストとは、家本体の維持費や生活がスタートした時にかかる光熱費などです。

家を建てるのに必要な費用を低く抑えられたとしても、その後のランニングコストがかかってしまう家は最終的にローコスト住宅とはいえません

ランニングコストを抑えた家にするためには、自分たちが希望すること、優先したいことを設計の段階で業者に伝えることが必要です。

とくに光熱費を抑える省エネ住宅の場合は、建築構造や間取りプランにも大きく影響してきますので、設計の段階が重要ということです。

省エネ住宅で一番気を付けることは冷暖房のコストのため、断熱工事をしっかりすることが大切です。

そのため、断熱材を屋根や外壁、床下までに入れることが必要で、しっかりしている建物であれば冷暖房費用を節約でき、結露を防ぐことができ長持ちする家にすることができます。

また、断熱材だけでなく窓も重要な役割をしますので、断熱性能の優れた複層ガラスを使用し、熱損失が高いと言われている窓の断熱対策しっかりしまよう。

光熱費を節約する工夫

冬は断熱ですが、それだけでなく太陽の光を部屋に取り入れる工夫をし、夏場は熱気がこもらないよう、空気の流れがスムーズに抜ける間取りの工夫をします。

また、中庭を作ることで日当たりと採光に優れた省エネ住宅にもなります。

家が密集しているような場所では採光や風通しをどうするかが問題ですが、このような立地条件の場合は建物の中央に中庭をつくり、中庭に面した一階と二階に開口部をつくれば日差しも風通しも良くなります。

そして、水回りの設備としては効率の良い節水タイプにしたり、従来のものよりも少ない熱でお湯を沸かせる高効率給湯器を使用することで水道代が3割以上抑えられます。

また、通常の換気扇では冷暖房の空気が入れ替わってしまいますが、熱交換型の換気扇であれば室内の汚れた空気と新鮮な外気を入れ替えることができます。

LED照明でランニングコストを抑える

近年、白熱電球に代わりLEDが主流になっています。

個人的には白熱電球の優しい光の方が好みなのですが、電力を抑えられることと長期間使用できるということで、ほとんどの家庭ではLEDを使用しているのではないでしょうか。

白熱電球とLEDの価格を比較すると、単体の電球だとLEDの方が何倍も高いですが、シーリングライトなどの器具一体型であれば、白熱タイプと変わらない価格になってきています。

LEDは消費電力が少なく寿命も長いため、どちらを選ぶかは言うまでもありません。

外壁の塗り替え期間は長くする

雨風や太陽にさらされる外壁は、面積も広く内装に比べてメンテナンスコストがかかります。

家を建てる際に、見た目重視や低価格の素材を使ってしまうと、後に後悔することになるので注意が必要です。

通常、外壁の仕上げには、モルタルのような湿式法とタイルやサイディングを張っていく乾式法があり、メンテナンスがしやすい仕上げ材は、重ね塗りができるモルタルや耐久性に優れたガルバリウム鋼板です。

その一方、材料費用は安く維持費がかかるものがあります。

サイディング塗装版はコストが安く、ローコストで家を建てたい人に人気ですが、10年から15年も経過すると塗り替えが必要になります。

その費用は相場で100万円ほどかかるため、メンテナンスの期間が短く低コストのサイディングを選ぶか、錆びにくくメンテナンス期間の長いガルバリウム鋼板にするかなど、見積もりの段階で確認してみてください。

床面積を減らす

ローコスト住宅にすることができる効率的な部分は、床面積を減らすことが一番の近道です。

床面積を減らすことで、基礎部分、外壁、屋根などが小さくなるため、その分のコストを減らすことができます。

家を建てる際、敷地のすべてを建物で収めようとする人がいますが、家族構成を考えた場合、無理に面積を広くとる必要はありません。

間取りプランの工夫次第では、不便を感じることがないスペースを確保することができますし、将来において余った敷地は増築することもできます。

また、効率よくコストを抑えることができるのは人件費も大きいため、床面積を減らすことで工賃を減らすことができることも大幅削減できる理由です。

建物の形状をシンプルにする

住宅本体や外観を複雑にしてしまうと、それだけ工数がかるため人件費に影響し、最終的に工事費用が高くなってしまいます。

具体的に、外周に凹凸が多いタイプは外壁の面積が多くなってしまい、シンプルな構造の箱型に比べ割高となります。

住宅の外観デザインに拘りがなければ、凹凸をなるべくなくしシンプルにすることで、下地材の材料代や工数の短縮によりコストを抑えることができます。

そうはいってもどこまで妥協するかにもよりますし、家を建てる敷地の条件などによって左右されます。

あまりコストダウンのことばかり気にしていては、納得のいく理想の家から離れてしまうので、バランスは必要かと思います。

総二階建てにする

同じ面積であれば、部分二階建てよりも総二階建ての方が費用を抑えられます。

部分二階建てとは、一階の床面積より小さくした建物で、総二階建てとは、一階と二階の床面積が同じ建物のことです。

部分二階建ては建坪が広くなり、基礎工事や材料が増えるため割高になるということです。

屋根は勾配をゆるく単純に

屋根のデザインは様々ですが、費用を安くするためには単純な片流れや切り妻屋根がお勧めです。

屋根の大きさもそうですが、形状が複雑になればそれだけ材料費もかかるため、コストが上がることは言うまでもありません。

しかし、屋根の勾配(角度)がきつい場合、作業をする際に足場が必要となるため、その分の費用がかかってしまいます。

理想は、一枚板で作った片流れの勾配の少ない屋根ということになります。

屋根の素材を安価にする

ガルバリウム鋼板や化粧ストレートは安価ですが、15年ほどで塗り替えが必要になります。

少し高価になりますが、瓦銅板であればメンテナンスの必要はほぼありませんので、最初に費用を投じるか、都度発生するメンテナンス費のどちらをとるか検討する必要があります。

外壁はサイディング塗装版にする

コストを抑えるためには、高額な塗り壁よりもサイディング塗装版にします。

他にもリシン吹き付けやガルバリウス鋼板がありますが、メンテナンスのタイミングは同じくらいのため、サイディングでコストダウンする方がいいかもしれません。

部屋数を極力減らす

時代の流行にもよりますが、ここ最近はオープンな間取りにすることでコストダウンをしています。

手っ取り早い方法は、部屋数についてですが、最初から多く作るのではなく、少なくすることで開放的な間取りにし、必要な場面で仕切りをするなどでケースに応じて使い分けます。

部屋が多くなると仕切り壁が増えるため、材料費に上乗せされることはもちろん、照明器具や暖房器具などの出費もかさみます。

同じ家族でもプライベート空間が欲しいという考えがあるかもしれませんが、中途半端な子供部屋を複数つくるよりも、将来のことを考え、使い道がなくなる部屋を残すよりはいいかもしれません。

リビング階段にする

二階へ上がる階段をどこに設置するかでも費用に差がうまれます。

人気がありオーソドックスなタイプは玄関近くで、各スペースへのアクセスがスムーズで便利になります。

反面、廊下などに階段を作る場合、階段を壁で囲う必要があるためコストが上がり、リビングなどの部屋の中に階段を設置する場合、壁の材料費を節約できるメリットもあります。

狭小住宅のタイプに多いかもしれませんが、思い切って廊下を作らずに玄関から直接部屋に入る設計にすると、床面積を減らすことになるので費用が抑えられます。

水回りを近くにする

お風呂や洗面、トイレなどの水回りについては、できるだけ近い位置に設計すると、排水管などの設備の節約にもなりコストを抑えることができます。

トイレとキッチンが近いと敬遠するかと思いますが、水回りの設備がまとまっていると、後のメンテナンス作業の効率もよくなるメリットがあります。

例えば、住み回りをオールインワンタイプにすれば、トイレ、浴室壁や扉など、照明設備も各スペース分を用意する必要がなく、材料費や手間などの工事費もローコストで済ますことができます。

しかし、海外であればお風呂・洗面室・トイレが一緒のケースが多いと思いますが、日本では少し抵抗がある人もいるかもしれませんね。

そのような場合、お風呂は別にして、トイレと洗面室を一緒にするなどの工夫をしてみてください。

トイレの数を1つにする

二階建ての場合、通常は各階にトイレを設置していると思いますが、トイレを一つ作るのにいくらかかると思いますか?

価格にすると約20万円から30万円ほどかかりますので、一つにすれば設備費用と工事費用のコストダウンが可能になります。

トイレの数を減らすことで余ったスペースを有効活用もできますので、予算が厳しい場合は検討してみてもいいかもしれません。

もちろん、家族が多い場合は2つは必要ですので、将来の家族構成も考えたうえで決めてください。

住宅コストを抑えるためには総合的に判断することが必要ですが、どこを妥協するかしないかは優先度を決めるといいでしょう。

システムキッチンは既製品にする

オリジナルのキッチンにするとコストが格段に上がってしまうため、やはり既製品の中から選ぶ方がローコストになります。

システムキッチンは各メーカーともかなり多くのラインナップがあるため、デザイン、機能性においても気に入ったものが見つかると思います。

しかし、自分たちの間取りに適合するかは別の話になるため、業者への確認は必要ですので注意してください。

高機能のコンロは避ける

身の回りの家電製品を見てもわかるように、高機能な製品が必ずしも使い勝手が良いとは限りません。

使わない機能がたくさんありますがコンロも同じで、様々な機能がつくことでコストアップになってしまいます。

既製品でシンプルなものを選んだ方が使い勝手もいい場合があるため検討してみましょう。

水栓金具をシンプルにする

水回りは頻繁に使用するため、特に凝ったデザインにする必要はありません。

稀にどうやって使うの?という変わったデザインの水栓がありますが、キッチンに似合わないケースが多々あるため、シンプルなデザインで十分です。

あえてキッチンは大きくしない

料理をする場所が広いことは、女性にとっては大変嬉しいことだと思いますが、広くスペースを取らなければそれだけ安く済ますことができます。

じつは、キッチンが広すぎても火のある場所まで動く必要があるため、動線的にも長くなり効率が悪くなってしまいます。

キッチン照明を直管蛍光灯にする

LEDの普及に伴いリビングではよく使用されていますが、取付け場所によってはまだ高額な商品となっています。

キッチンがその例で、直管LEDはそこまで普及はしていないためとても高額です。

少ない消費電力で広い範囲を照らすことができる直管蛍光灯であれば安く済みます。

吊り戸棚はあえてつくらない

対面式のキッチンの場合、ダイニング(正面)側の吊り戸棚を作らなければコストダウンにもなり圧迫感もなくなります。

その分、背面に設置する収納棚を有効的に使うため、少し低く設置し、その棚の上をうまく利用しましょう。

アプローチを自分でDIYする

業者に頼むのではなく、自分で枕木を打ったり、タイルや石を張ることで費用をかなり抑えることができます。

せっかく自分たちの家を建てるのです。その家づくりに参加したという証にもなります。

作業自体は難しくありませんので検討してみてはどうでしょうか。

外構費用を抑える

柵や門扉などの外回りでアイアンを多用すると、初期コストもメンテナンス費用も高くなります。

あまり派手にせずシンプルにすることで、初期コストを減らすことができます。

門を機能門塀にする

正面玄関の入り口となる門は立派門構えにしたいと思いますが、機能門塀にすることでかなりコストダウンすることができます。

機能門塀とは、塀に表札やインターホン、ポストなどを設けたものです。

植樹を自分で購入する

玄関や庭のアクセントにもなる木は、植木業者に頼むのではなく自分で購入して植えましょう。

2、3メートルくらいの高さであれば1万円程度ですみ、植えるのも簡単で穴を掘って植えるだけで問題ありません。

玄関のドアは既製品にする

住宅会社にオーダーする前に、既製品で良いものがあるかを調べてみてください。

既製品の玄関ドアでも、デザインや耐久性に優れたものがあるため、充分に満足できるものがあると思います。

玄関戸は標準の高さにする

玄関戸の標準的な高さは2メートルほどですが、2メートル以上の高さになってしまうとコストが高くなってしまうため、標準サイズにとどめましょう。

親子ドアよりも片開きにする

メインとなる玄関のドアに小さなドアがセットになった親子ドアは、見た目も豪勢で余裕のある開口がとれるので便利です。

しかし、その分コストが上がってしまうため、安くするためには片開きタイプのドアにしてください。

照明は可能な限り安く済ませる

家の中で一番長く滞在する場所以外、照明器具については豪華にする必要はありません。

電球を取り付けるだけのモーガルソケットにすれば、ペンライトやシーリングライト、ブラケットライトなど、シンプルでありつつもお洒落に演出することができます。

窓は引き違い窓にする

窓を多く作れば作るほどそれだけコストがかかりますが、窓の数を減らしてしまうと風通しが悪くなるため、通風のための場所を確保してください。

その際、比較的に安価で設置することができる引き違い窓や、窓自体を大きくしなければ、はめ殺し窓もお勧めです。

【PR】タウンライフ家づくり