
40坪を平米数にすると約132㎡に相当し、一般的なファミリー向け住宅を建てるのに十分な広さです。畳に換算すると約80枚分となり、仮に正方形の土地であれば、一辺は約11.5メートル程度。空間の広さをイメージしやすいサイズ感です。
この広さがあれば、3LDK~4LDKの間取りが一般的ですが、間取りの工夫次第では5LDK~6LDKに対応可能なケースもあります。4人家族であれば、十分にゆとりのある生活空間を確保でき、さらに駐車場も1~2台分は無理なく配置できるでしょう。
ただし、実際に建てられる建物の規模は、建ぺい率や容積率といった法的制限に影響されます。土地の用途地域や形状によっても建物の配置や階数などが変わるため、事前にしっかり確認することが大切です。
また、40坪という広さは、35坪と比較してわずか5坪の違いですが、間取りや収納、駐車場スペースなどに意外と大きなゆとりや違いが生まれることがあります。
たとえば、収納を増やしたり、書斎を追加したり、1階と2階のバランスを調整したりといった自由度の高いプランが可能になります。
実際の間取りの例としては、次のようなプランが考えられます。
・1階にLDKと水回り、2階に居室を配置した4LDK
・主寝室・子ども部屋・書斎を設けた3LDK+α
・大型の収納やバルコニーを備えたゆとりあるプラン
建築費用については、選ぶハウスメーカーや住宅プラン、仕様、坪単価によって大きく異なりますが、概算で4,000万円前後が一つの目安となります。
最後に、同じ40坪でも立地条件(駅からの距離・周辺環境・道路接道など)によって土地価格は大きく異なります。理想の住まいを実現するためには、土地と建物を一体で考えるプランニングが重要です。
以前、35坪の土地の間取りを方角別に分類した基本形となるものをご紹介しましたが、今回は、40坪の土地に家を建てる間取りを方角別に検証したいと思います。

40坪の北玄関プラン(パターン①)
特長

- 3LDK(間取り可変型で4LDK可能)
- 玄関に大型収納あり収納力大
- 1階は南側にLDK、リビング続きに北側に和室(6帖)
- リビング・ダイニングは15帖
- キッチン(4.7帖)は対面式キッチン、ホールから水回りが繋がる直線導線が使い易い
- 階段は玄関から回り込んだ位置にあり、家族の出入の気配を感じられることが良い
- 階段は踊り場もあり安全設計
- ホールには半帖の収納があり、小物収納も可能
- トイレと水回りが近いため使い勝手良い
- 2階は寝室、洋室、トイレ、納戸(4帖)がある充実の間取り
- 全室南側のため日当たり良好
- 寝室(8帖)には4.5帖の納戸、3帖のウォークインクロゼット、バルコニー付き
- 洋室は後間仕切り可能で2室にすることが可能で、子どもの成長に合わせて可変できる
留意したいポイント
- 和室の収納は西側に移動し、東側に窓を取り付けることも可能
- 同様に和室収納を北側に移動し、東側に窓を取り付け、さらにリビングとのつながりが広くなるので、より開放的な空間が取れることも良し
- 1階のホールはやや混雑しそうな狭い通路で家族の往来には注意が必要
- 玄関収納が大きいのは良いが、奥行を考慮して玄関側とホール側で2分するのも良し
- 2階寝室の収納が合わせて7.5帖あるので、収納の方法を十分考慮して有効活用したい
- その寝室の収納を一部フリースペースにしてより明るさを重視しても良い
- 洋室の間取り可変性は大いに活用し、子どもの成長に合わせて仕切りの脱着は容易
40坪の北玄関プラン(パターン②)

特長
- 4LDK、南北に長い敷地への対応間取りの総2階タイプ
- 玄関横にはウォークインクローク(4帖分)
- 階段はホールからの昇降、踊り場もあり安全設計
- トイレもホールからの出入で良い
- 収納とパントリーを中心に回遊できる使い勝手の良い生活導線
- リビング(12.6帖)、仕切り開閉タイプのダイニング(7帖)
- キッチンは独立型、水回りは横導線で非常に使い易い
- キッチンにパントリー、洗面室にも収納あり大きな収納力が確保できる
- トイレはカウンタータイプでやや広め
- 2階は寝室、洋室3つ、トイレ、バルコニーと充実
- 寝室(11帖)は北側、ウォークインクロゼット(3帖)
- 洋室が3つでそれぞれの収納力も十分
留意したいポイント
- 玄関横のウォークインクロークの利用方法によっては通路にスペースを取られ易い
- 洗面室の収納は奥行きのあるタイプなので、奥行を考慮しホール側と2分しても良い
- キッチンのパントリーも同じ考え方だが、棚の設置の仕方で有効活用したい
- ダイニングは独立型だが広すぎ感があるため、仕切れるようにも開放的にもいかようにも対応した間取りを考えたい
- 2階は洋室2つが南側でバルコニー付き、残す1つの洋室との差があり家族会議は必要
- 2階のホールはやや暗めなので、階段の窓をやや大きめにした方が良い
40坪の南玄関プラン(パターン①)

特長
- 4LDK、総2階タイプ
- 玄関、ホールを中心に和室独立型(8帖)なので、客間として有効活用できている
- 和室からホールへの出入ができるのは良い
- リビングダイニングが13帖
- 階段はリビング昇降なので、家族の出入の気配が感じられ、踊り場もあり安全設計
- キッチンは対面式(5帖)、パントリー付き
- キッチンと水回りは横導線で非常に使い易い
- 2階は寝室、洋室2つ、フリースペース、トイレ
- 寝室は10帖、ウォークインクロゼット(2帖)、バルコニー付き
- バルコニーはフリースペースからの出入ができるのは良い
留意したいポイント
- 和室独立型は、普段自分たちの生活を重視すると勿体ない
- 1階のホールが通路タイプなので、家族の往来等は気を付けたいところ
- 2階のフリースペースがあることは、家族の深まりを作り易い点を大いに有効活用したい
- 階段とフリースペースを分ける壁は腰高(H=700)のカウンタータイプがお勧め
40坪の南玄関プラン(パターン②)

特長
- 4LDK、総2階タイプ
- 玄関を中心にリビングダイニング、和室が独立型
- 階段を中心として回遊できる非常に使い勝手の良い間取りになっている
- 階段は、踊り場もあり安全設計
- リビングダイニング(16帖)
- キッチン(4.2帖)は独立型でホールからも出入りできるのは良い
- 普段はリビングからホール、和室からホールのドア(和室側がふすま)は開けておくことで開放感が広がる
- 2階は寝室、洋室2つ、フリースペース、バルコニー、トイレ、納戸
- 寝室(10帖)にウォークインクロゼット(4帖)、広々スペース
- フリースペースを挟んで、夫婦の寝室と洋室を分ける間取りは人気の1つ
- バルコニーも広めなので、フリースペースと合わせると、かなり有効的かつ開放的空間が生まれる
留意したいポイント
- 1階のトイレと洗面室の出入が混み合う点は注意が必要
- 2階は洋室を子どもで決める上で、どちらにするか喧嘩しないように
- ホールからの納戸、奥行が(W=1,360)なので、棚の取り付け方、可動式等考慮が必要
40坪の東玄関プラン(パターン①)

※このプランは、反転すると西玄関プランとしても活用できます。
特長
- 3LDK(可変式で4LDK可能)、総2階タイプ
- 1階はLDK、洋室とも南側に配置
- 玄関横にウォークインクローク
- ホールの幅は車いす対応の広さあり(W=1,135)
- 階段はホール昇降タイプで踊り場もあり安全設計
- リビングダイニングは12帖
- キッチンはホールを挟んで水回りが離れているが、ドアを開放しておけば不便性は解消
- キッチン(4.7帖)は対面式
- 洋室は和室にすることも可能
- 2階は寝室、洋室1(間仕切り可能型で2室にできる)、フリースペース、納戸、トイレ
- 洋室は全て南側配置
- 寝室(9帖)にウォークインクロゼット(4帖)、バルコニー付き
- 洋室は子どもの成長に合わせて後間仕切り可能で、子どもが独立後は再度元に戻すことができる
- 北東側にフリースペース(7.8帖)は広々
- ホールに納戸(約3帖)は嬉しい
留意したいポイント
- 玄関横のウォークインクロークをただの通路にならないように工夫が必要
- 寝室のウォークインクロゼットも奥に長いタイプなので、活用に工夫が必要
- バルコニーは南側いっぱいに広げても良い
40坪の東玄関プラン(パターン②)

特長
- 4LDK、総2階タイプ
- リビングダイニング(14帖)と和室(6帖)が並んでいるため開放感がある
- キッチンは対面式
- キッチン奥には家事室もあり、奥様に喜ばれるスペースとなっている
- 階段はホール昇降で、踊り場もあり安全設計
- 2階は寝室、洋室2、フリースペース、書斎スペース、納戸、トイレと充実の間取り
- フリースペースからのバルコニー
- 2階の洋室以外のスペースはかなり明るく、風通しも良い
- 寝室(7帖)にウォークインクロゼットと収納があり、使い分けが充実する
- 1階には家事室、2階には書斎と、夫婦に嬉しいスペースが確保されている
- 2階ホールには納戸(2帖)、嬉しいスペース
留意したいポイント
- キッチンと他の水回りが離れているので、家事仕事の生活導線がやや勝手が悪い
- 玄関の正面に階段の昇降があるため、若干抵抗感が生まれる
- 2階のフリースペースが広いため、収納(腰高位まで)があっても良い
まとめ
以前の35坪の間取りでもそうですが、35~40坪という広さは3人から5人家族にとっては平均的な広さということがイメージできたかと思います。
無駄なく効率的に有効活用できるスペースが確保できれば、施工のコストも比較的に割安で抑えることが可能です。
今回、解説した40坪の間取り例を参考に、ぜひ、ご自身たちの思い描いているマイホーム計画を実現してください。

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